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株式会社キティー・ブログ

食品事業部の営業担当者、バイオ事業部の研究員が更新するブログです。
おいしいものや、乳酸菌の情報を発信していきます!

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2020-10

哺乳瓶の安全性!?

出来事

こんにちは。

KT-11研究員です。

さて、以前に少し紹介した世界的権威のある論文「Nature Food」。

その中で、小さなお子さんをもつ親御さんにとっては興味深い論文が掲載されます。

ポリプロピレンを含有する乳児用哺乳瓶を使って一般的な調製粉乳を調乳する際に、哺乳瓶からマイクロプラスチックが放出される可能性があることを示唆する内容です。

人間の健康に対するマイクロプラスチックの影響については、解明が遅れており、今回の知見から、さらなる研究が必要なことが浮き彫りになりました。

論文のタイトルは、

Microplastic release from the degradation of polypropylene feeding bottles during infant formula preparation

https://www.nature.com/articles/s43016-020-00171-y

以下概要↓

ポリプロピレンは、食品の調理に最も広く使用されているプラスチックであり、ポリプロピレンの年間生産量は、非繊維プラスチックの年間生産量の20%を占めている。しかし、ポリプロピレン製容器からのマイクロプラスチック放出は、ほとんど解明されていない。

今回、Jing Jing Wangたちの研究チームは、世界のオンライン市場で販売されている哺乳瓶の大半を占める10種類の乳児用哺乳瓶を対象として、世界保健機関(WHO)が推奨する殺菌条件と調乳条件の下でマイクロプラスチックの放出を調査した。これらの乳児用哺乳瓶は、本体か付属品がポリプロピレンでできていた。調査の結果、マイクロプラスチックの放出量は、哺乳瓶によって130万~1620万粒子の幅があることが明らかになった。哺乳瓶からのマイクロプラスチックの放出は21日の研究期間中継続し、放出量は水温などさまざまな要因によって変動した。

次にWangたちは、これらのデータを用いて、全世界の乳児のマイクロプラスチックへの曝露可能性をモデル化した。Wangたちは、生後1年にわたってポリプロピレン製哺乳瓶を使ってミルクを飲んだ乳児が、1日平均160万粒子のマイクロプラスチックに曝露すると推定した。また、マイクロプラスチックへの曝露モデルには地域差があり、アフリカとアジアの乳児は曝露の可能性が最も低く、オセアニア、北米、ヨーロッパの乳児は曝露の可能性が最も高いことが分かった。

Wangたちは、乳児が、これまで考えられていたより多量のマイクロプラスチックに曝露されている可能性があると結論付けている。食品と接触するプラスチックが日常的に使用される際にマイクロプラスチックをどのように放出するのかを解明するためには、さらなる研究が必要である。

以上、引用おわり。

安全性に疑問が残るというマイクロプラスチック。

今後の研究の進展が気になるところです。