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2020-12
臨床試験の情報から企業の動向を探る
こんにちは。
KT-11研究員です。
さて、今年の機能性表示食品の動向としては、多くの免疫機能にフォーカスされた商品が誕生しました。
これまでは、免疫機能について、特定保健用食品をはじめ、機能性表示食品でも認可や受理が難しいとされてきました。
その大きな理由は、免疫自体が複雑なシステムであり、まだまだ未解明なことだらけ。食品がどのような機序で効果を発揮しているのか、証明が難しかったことにあります。
とりわけ、乳酸菌についても大手乳業メーカーをはじめ、数多の企業が花粉症、抗腫瘍、免疫賦活効果など、エビデンスを公表してきましたが、認可には至っていませんでした。
しかし、最近になってアレルギー緩和とまでは行かないにしても、「目や鼻の違和感の改善」といった表現で、乳酸菌飲料などが機能性表示食品として受理されることが増えてきています。
また、今年は加熱処理をした乳酸菌においても、免疫機能を調節することを認める機能性表示食品も誕生しました。従来「生きた乳酸菌」でなければ効果が発揮されない、といった論旨を覆すだけのエビデンスが加熱処理乳酸菌についても到達したといっても過言ではないのかもしれません。
今後、どのような機能を持った乳酸菌の商品が誕生するのか。
いち早く情報をゲットする方法があります。
それは、企業が取り組んでいる臨床試験の計画。その情報については、一部公開されています。
もともと、治験・臨床研究については、原則として事前に情報を公開することで、その透明性を確保し、もって被験者保護と治験・臨床研究の質が担保されるようWHOが主導して世界的に取り組んでいるところです。
日本では、当初UMIN・JAPIC・JMACCTの3つの登録機関による治験・臨床研究の登録に係る協力体制を構築し、当該体制をJPRN(Japan Primary Registries Network)と名付けました。JPRNは、日本における治験・臨床研究登録機関として、世界保健機関(WHO)が指定する治験・臨床研究登録機関(WHO Primary Registry)として認められ(全世界で8カ国目)、その旨が平成20年10月16日に公表されました。
登録機関の1つであるUMINでは、現在国内で計画されている臨床試験の情報が閲覧できます。
乳酸菌やプロバイオティクスというキーワードで検索すると「免疫向上」「アレルギー緩和」「認知機能向上」といった臨床試験が計画あるいは進行中であることが分かります。
来年も様々な機能を持った乳酸菌商品が発売されることでしょう。
楽しみですね。
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鶏肉・豚肉・牛肉やお魚・貝類など
健康食品・サプリメントや加工食品に配合可能な