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2021-02
まるで学会の懇親会!?クラブハウスとは
こんにちは。
KT-11研究員です。
ちょっと前に話題になっていたclubhouseですが、今回はその話題性について。
ご存じの通り、clubhouseはSNSの一種で、音声のみの投稿と一風変わった特徴です。
また、音声はリアルタイムで発信する形式であり、ラジオやポッドキャストとは異なり、オンライン上でフォロワーなどと会話ができます。
会話はroomと呼ばれるホストが作成した場所で行われ、ゲストは自由に様々なroomに出入りしながら、会話を楽しむことができます。
Clubhouseの登録は、会員に招待してもらうことしかなれません。なので、参加したい場合は会員に催促してみてください。
当初は、招待枠が1人、2名まででしたが、今ではフォロワー数によって招待枠が増員しているようですね。
むかしのmixiを彷彿とさせます。
しかし、日本で広まりつつあった頃は、平日の20~23時になると非常にフリーズすることが多く、サーバーが脆弱なのでは、と感じていました。アクセスが集中したときにおこるサーバーダウンを解決しないと浸透するには難しいように感じます。
よくClubhouseってどんなSNSなのか聞かれますが、例えるなら学会の懇親会に近いと思います。
学会は、著名な先生やシンポジストに、顔見知りの研究者が数人取り囲みます。
さらに、著名な先生の意見を少しだけでも聞こうと学生やそのほかの研究者が周辺を固めます。
むずかしいSNSです。。。
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2021-02
郷ひろみといえば
こんにちは。
KT-11研究員です。
最近、ある成分が話題になっています。それは、5ALAと呼ばれるアミノ酸です。
5ALAは身体の健康と美を支えるのに重要な天然アミノ酸の1種で、ヘルスケア・エイジングケアに役立つ成分として注目を集めています。
細胞のエネルギー工場と呼ばれるミトコンドリア内で作られるアミノ酸で、エネルギー産生に関与するたんぱく質の原料となる重要な物質です。
5ALAが体内に十分に存在することにより細胞のエネルギー産生が活性化され、健康や美容において様々なベネフィットをもたらすと考えられています。
例えば、血糖値上昇の抑制や睡眠の質の改善、運動効率の上昇といった機能性が確認されています。
なぜ、今頃!??と個人的には思っていましたが、実は、この5ALAが新型コロナウイルスの細胞内における増殖を抑えるという論文が長崎大学の研究グループから発表されたのです。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0006291X2100156X
BBRCと呼ばれる著名な学会誌ですので信ぴょう性は高いのかもしれません。
流通している5ALA自体は、ナトリウム塩と硫酸塩やリン酸塩の形が存在しています。
ナトリウム塩自体は、もともと医薬品成分として認可されていましたが、硫酸塩やリン酸塩については厚生労働省の「医薬品効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(材料)リスト」に追加されていて、食品や肥料などに使用されています。
記憶が曖昧ですが、国内ではコスモ石油が何十年も前から開発に取り組んできて、当初は砂漠の緑化に役立てられるのでは、という概念から肥料事業をスタートし、その後に健康食品事業に参入した経緯があります。
現在では、SBIグループとコスモ石油の資本によって設立したSBIファーマが5ALAをメインに健康食品事業を主軸に展開しています。
非常に魅力的な素材でありますが、ほとんどの事業セグメントにおいてコスモ石油が特許権を押さえていますので気軽に機能性を標榜することは特許侵害になるので留意しなければなりません。
ちなみに、5ALAの入ったサプリメントのCMキャラクターは郷ひろみでした
きっと、若々しく元気な中年男性としてぴったりだったからでしょう。
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2021-02
筋肉注射は痛いのか
こんにちは。
KT-11研究員です。
さて、世界中が待ちわびている新型コロナウイルスに対するワクチン接種の話題。
連日の報道では、全国の医療機関にワクチン保管用フリーザーが搬入されているようです。
今回、ファイザー社が開発中の新型コロナウイルスワクチン(mRNAワクチン)について、厚生労働省は18日までに、「保管温度はマイナス75プラスマイナス15度を予定している」と回答したことによります。
様々なワクチンが世の中にはありますが、今回のワクチンはRNAを含むものになっています。
バイオ系の方ならわかると思いますが、RNAとは酵素によって非常に分解されやすく保存が難しいことで知られています。世の中にいきわたらせるためには-80℃前後のディープフリーザーを完備しなければならず、発展途上国でのワクチン接種は現在のワクチンよりも安定性が高く冷蔵でも保管可能なものでなくてはならないのかもしれません。
さらに、ファイザー社から日本へのワクチン供給は、当初政府との基本合意では6月末までに6000万人分を確保できるはずだったが、年内に7200万人分という形での正式契約になったようです。つまり、6月末までに約束されていた分が揃わない可能性があります。
東京オリンピックも含めて、夏以降に予定されていた延期イベントの開催など、まだまだ不透明な状況が続くのかも知れませんね。
今回のワクチンの接種方法についても筋肉注射か皮下注射か、議論がなされています。
そもそもワクチン接種の多くは筋肉注射です。
ところが、日本では欧米諸国と大きく違う点として投与方法の違いがあります。とりわけ、日本では皮下注射が広く利用されています。
現在、厚生労働省より提示されている予防接種ガイドラインでは、経口摂取されるポリオワクチンや、経皮投与されるBCG以外のほぼすべてのワクチン接種法が上腕三頭筋部位での皮下注射としています。
ワクチン投与にとって重要なこととして、大きく次の2つがあげられる。
①抗体産生が良好であること。
②副反応が少ないこと。
多くの論文では、皮下注射よりも筋肉注射によるワクチン接種のほうが抗体産生が優れていることが報告されています。
また、皮下注によるワクチン投与群の方が副反応の点で優位に多かったと報告されています。
それでは、なぜ日本で筋肉注射が浸透していないのか。
日本国内で、ワクチンの筋注が避けられてきた理由として、薬剤筋注投与による大腿四頭筋短縮症が社会問題となった時代背景があります。
しかし、原因薬剤として当時問題となったものの多くはワクチンではなく、抗菌薬やメチロン(スルピリン)などの鎮痛剤の筋注投与でした。この大題四頭筋短縮症の問題から、筋注それ自体が問題であるという考えが定着していったために、ワクチンにおいても日本では筋注投与に慎重な判断をとっていると考えられています。
ちなみに、筋肉注射と皮下注射、どちらが痛いのでしょうか。
ある医師の見解では、皮下注射は斜めに針を差し込むため、真っすぐ垂直に針を差し込む筋肉注射と比較して表面積が大きくなり、痛いそうです。