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2023-04
【実験】冷凍でも美味しい餃子の作り方 ~弾力のある冷凍餃子と、軟らかくほぐれる冷凍餃子の作り方~
こんにちわ。Kitiiで研究開発をやっています吉澤です。
当社ではお肉やお魚を柔らかく、美味しくする調味料などを扱っていますが、これらの調味料などは餃子やシューマイなどのメニューの食感や肉感、弾力も良くすることやクッキングロスを低減することも出来ます。
ということで、
今回は当社の製品が餃子をどのくらい食感や弾力、クッキングロス(歩留まり)を改善する、冷凍・レンジアップしても効果はあるのか検証してみたいと思います。
【試験区】
①無処理
②梅ソフト(対肉1%使用)
③プリ・ジュワット職人(対肉1%使用、プリ職と略す)
④ジューシーミート職人(対肉1%使用、JMSと略す)
⑤スジまでやわらか職人RT(対肉1%使用、スジ職RTと略す)
⑥スジまでやわらか職人KT(対肉1%使用、スジ職KTと略す)
【レシピ】
豚挽き肉 110.0g
キャベツ 90.0g
塩コショウ 1.1g
水 10.0g
【工程】
キャベツを蒸し、粗めに刻む
↓各食材と各商品を混ぜ、餃子の皮で包む(15g/個)
↓餃子を加熱(スチーム)する
↓放冷し、冷凍保管する(-20度、一晩)
↓レンジアップする(600W、4分間)
【結果】
加熱後の餃子がこちらです。
図1.蒸し餃子(加熱後)
左から①無処理、②梅ソフト、③プリ職、④JMS、⑤スジ職RT、⑥スジ職KT
加熱後ではパッと見て変化はあまりないかなと思いました。肉ダネは皮の中なのでそりゃそうかなと。
なので餃子を切ってみて中身(肉ダネ)の様子を見てみようと思います。
図2.蒸し餃子(断面)
左から①無処理、②梅ソフト、③プリ職、④JMS、⑤スジ職RT、⑥スジ職KT
断面を見ていると①無処理、⑤スジ職RT、⑥スジ職KTは少しほぐれている様子でした。
②梅ソフト、③プリ職、④JMSは肉ダネがある程度まとまっているようです。
調味料、酵素製剤毎の試験区の歩留まりは以下の通りです。
図3.調味料、酵素製剤毎の試験区の歩留まり
加熱後の歩留まりは各試験区95%程度でした。一方で冷凍・レンジアップした後の歩留まりには差が見られました。
レンジアップ後において⑥スジ職KTが最も高い歩留まり率(94.3%)を示しており、次いで③プリ職、④ジューシーミート職人、⑤スジ職RTにて約93%以上の歩留まり効果が得られました。
官能評価を行った結果、以下の図4のように調味料、酵素製剤毎の特徴が見られました。
図4.調味料、酵素製剤毎の特徴
スジまでやわらか職人KTおよびRTは加熱後でも冷凍・レンジアップ後でも同程度の柔らかいほぐれ感のある食感の餃子になっていました。
プリ・ジュワット職人は冷凍・レンジアップ後でも弾力感やまとまり感のある食感となっていました。
梅ソフトやジューシーミート職人は冷凍・レンジアップ後でも柔らかめの食感の餃子になっており、すこしふんわりした食感でした。
【まとめ】
○加熱後の歩留まりはいずれの商品でも95%程度の歩留まりであり、冷凍・レンジアップ後ではスジまでやわらか職人KTが最も高い歩留まりであった。
○弾力感やまとまり感を出すのはプリ・ジュワット職人であり、やわらかめの餃子には梅ソフトやジューシーミート職人が適しているようです。
冷凍前後で変わらず柔らかい食感にするにはスジまでやわらか職人KT・RTが向いていると思います。
餃子を包む作業はなかなか大変でしたが面白い結果が得られて実験者としてはまずは良かったなと。今回のデータは2023年のFABEXで配布予定です。
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2023-03
【実験】ハンバーグの食感を良くする方法・クッキングロスを減らす方法
こんにちわ。Kitiiで研究開発をやっています吉澤です。
当社ではお肉やお魚を柔らかく、美味しくする調味料などを扱っていますが、これらの調味料などはハンバーグやソーセージなどのメニューの肉感や食感、弾力も良くすることやクッキングロスを低減することも出来ます。
ということで、
今回は当社の製品がハンバーグをどのくらい食感や弾力、クッキングロス(歩留まり)を改善するのか検証してみたいと思います。
【試験区・レシピ】
①卵有り(牛肉ミンチ:赤身脂身半々、卵:全体の10%分)
②卵無し(牛肉ミンチ:赤身脂身半々、水:全体の10%分)
③梅ソフト(②+梅ソフト:全体の4%分・液体品)
④プリ・ジュワット職人(②+プリ・ジュワット職人:全体の2%分・粉末品)
⑤ジューシーミート職人(②+ジューシーミート職人:全体の2%分・粉末品)
※プリ・ジュワット職人:以降、プリ職と略す
ジューシーミート職人:以降、JMSと略す
【工程】
各食材と調味料等を混ぜる(手混ぜ、3分間)
↓成型(50g/個×2)
↓加熱(コンベクションオーブン、250度、7分間)
↓放冷(室温、30分)
↓試食
【結果】
食材と調味料等を混ぜ、成型したハンバーグがこちらです。
図1.成型したハンバーグ
左:③梅ソフト 中央:④プリ職 右:⑤JMS
成型したハンバーグの見た目(色味)には差が見られませんでした。
そして、加熱後のハンバーグがこちらです。
図2.加熱後のハンバーグ
左:③梅ソフト 中央:④プリ職 右:⑤JMS
加熱すると焼き縮んで厚みが出ました。市販の冷凍ハンバーグくらいのサイズになりました。
表1.ハンバーグの歩留まり率
試験区 | ①卵有り | ②卵無し | ③梅ソフト | ④プリ職 | ⑤JMS |
加熱前 | 90.95g | 90.22g | 97.70g | 98.53g | 92.61g |
加熱後 | 61.85g | 50.79g | 70.94g | 71.79g | 69.44g |
歩留り率 | 68.0% | 56.3% | 72.6% | 72.9% | 75.0% |
①卵有りと②卵無しを比較すると、卵があると歩留まり率が約12%向上することが分かりました。そして③梅ソフト、④プリ職、⑤JMSはさらに高い歩留まり効果(②比16%~18%向上)が見られました。
したがって、梅ソフト、プリ職、JMSは卵と同程度(またはそれ以上)の歩留まりを高める効果があると分かりました。
表2.ハンバーグの試食・官能評価
①卵有り | ②卵無し | ③梅ソフト | ④プリ職 | ⑤JMS | ||||||
多汁感 | 4.8 | 4.0 | 6.2 | 6.0 | 5.8 | |||||
硬さ | 4.2 | 4.0 | 4.4 | 5.2 | 4.6 | |||||
弾力 | 4.4 | 4.0 | 4.8 | 5.6 | 5.2 | |||||
味 | 4.4 | 4.0 | 4.8 | 5.2 | 4.6 | |||||
香り | 4.4 | 4.0 | 4.8 | 5.6 | 5.2 | |||||
総合評価 | 4.6 | 4.0 | 5.2 | 5.4 | 5.0 | |||||
合計 | 26.8 | 24.0 | 30.2 | 33.0 | 30.4 |
※②卵無しの各項目「4」として相対評価(1:悪い~4:普通~7:良い)、パネラー5名
官能評価の結果から、
①卵有りハンバーグは多汁感や味香りが、②と比較して良好になっていることが分かりました。意外なことに硬さや弾力は思っていたほど改善されているようではありませんでした。
これは①卵有りハンバーグは、ふっくらしていてほぐれ感のある食感になっていたので、"硬さ"としてはあまり評価されなかったのではないかと思っています。
③梅ソフトは多汁感が良くなっていました。食感は弾力がある感じというよりもまとまり感があるような食感でした。
④プリ職は多汁感も良く、だいぶ弾力のある食感になっており、すこしプリっとしていたので、使用量はもう少し少なくてもいいかもしれないと思いました。
⑤JMSは多汁感もよく、弾力感とまとまりのある食感になっていました。
【まとめ】
○梅ソフト、プリ・ジュワット職人、ジューシーミート職人は卵に負けないに歩留まり(クッキングロス低減)効果を有する
○これらの商品はハンバーグにジューシー感をもたらし、硬さや弾力を改善することができる
○各商品の効果は少し特徴があるため、メニューによって調整などが必要である
余談ですが、
残ったお肉で商品を多めに使ったハンバーグを作ってみましたが、プリ・ジュワット職人やジューシーミート職人はソーセージのような"ぶりんっ!"とした食感のハンバーグになってしまいました。
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2023-03
【実験】ハンバーグに卵を入れるのは何故か?食感?ジューシー感?味?
こんにちわ。Kitiiで研究開発をやっています吉澤です。
今年は鳥インフルエンザが発生し、鶏が少なくなってしまい、ハンバーグのみでなく、プリンやケーキなど鶏卵を原料に使う商品が色んなところで品薄になっているようです。
そこで、今回はハンバーグに卵が無いとどうなるのか?卵はハンバーグにどんな効果をもたらしているのか?検証してみたいと思います。
【試験区】
・卵有りハンバーグ:牛肉ミンチ(赤身、脂身半々)、卵(全体の約15%分)
・卵無しハンバーグ:牛肉ミンチ(赤身、脂身半々)、水(全体の約15%分)
【工程】
材料を混ぜる
↓加熱(コンベクションオーブン、250度、10分)
↓放冷(室温、30分)
↓試食
【結果】
材料(ミンチと卵)の様子がこちら。
図1.ハンバーグの材料(卵有り)
当社での試験では赤身と脂身の量をコントロールするため、お肉丸ごと購入して赤身と脂身に切り分けて使用しています。卵が15%分も入っていると結構卵の存在感がありますね。
図2.混ぜる時の様子(卵有り)
卵があると粘りが出て、混ぜやすいような気がします。
卵の分を水に置き換えたものでは粘りがすぐには出てこず、多少混ぜにくい(分離しやすい)ような印象を受けました。
図3.加熱時の様子
左:卵有りハンバーグ 右:卵無しハンバーグ
ハンバーグを平たく、中央をへこませて成型したら、コンベクションオーブンで加熱。
中央をへこませていてもだいぶ膨らみました。多少ドリップも出ているようです。
図4.卵有りハンバーグの様子
焼きあがった【卵有り】ハンバーグを割ってみますと、ジュワっと肉汁が出てきました!断面からもフワフワしたほぐれ感のある仕上がりになっていました。
【卵無し】ハンバーグは肉汁が少なめで、食感もぎゅっとした感じになっていました。
図5.肉汁の量
左:卵有りハンバーグ 右:卵無しハンバーグ
図5の写真からも【卵有り】ハンバーグの方が目に見えて肉汁が多い事が分かるかと思います。【卵無し】ハンバーグの方はあまり肉汁が出てきていません。肉汁の後もあまり確認できませんでした。
試食すると【卵有り】ハンバーグは肉臭さが少なり、ふっくらした食感になりました。【卵無し】ハンバーグは肉臭さ(獣臭さ)があり、肉肉しい硬めの食感でした。
【まとめ】
・ハンバーグに卵を入れると混ぜやすくなり、加熱後に肉汁がジュワッと出るようになります。
・卵を配合することでハンバーグの食感をふっくらとしたほぐれ感のある食感になり、肉臭さも軽減してくれることが分かりました。
卵が入っているハンバーグの方がふっくらしていて、ジューシーな感じがあり、個人的には美味しかったです。
ハンバーグとは関係ありませんが、卵かけご飯が大好きなので鶏卵が無くなる(手に入りにくくなる)と悲しいです。卵の良さ・効果含め、とても大切な存在であったんだな、と痛感しました。
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