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2021-01
免疫を謳う機能性表示食品とは
こんにちは。
KT-11研究員です。
以前のブログでも紹介しましたが、2020年は機能性表示食品にとって大きな転機となった年です。
それは、業界にとって悲願であった「免疫」に関する表示食品の届出が受理されたことです。
2015年にスタートした機能性表示食品ですが、約30年の歴史を誇る"トクホ"を遥かに上回り、わずか5年で受理数3000品に到達しました。
機能性表示食品として受理される要件は以下の3つです。
- 安全性の確保
└十分な食経験があること - 機能性の担保
└機能性の化学的証拠(エビデンス)の明確化(臨床試験・研究レビュー) - 適正な表示による消費者への情報提供
└消費者に誤解を与えない情報の表示になっているか
そして、昨年2020年8月に免疫機能に関する商品が受理。
受理された商品は、プラズマ乳酸菌を関与成分とするキリングループのiMUSEブランド5商品。
業界にとって悲願であった"免疫での受理"を達成するに至ったのです。
しかし、そうは言っても健康食品業界に明るくない方からは「免疫機能って何?」とか「免疫機能は認めれないのでは」といった声も聞こえてきます。
そもそも免疫とは、からだの中において外部からの侵入者である細菌やウイルスなどに対して免疫細胞などが「自分」と「自分でないもの」を識別して、からだを守るしくみをいいます。
免疫学では、「自分=自己」、「自分でないもの=非自己」と呼んでいます。つまり、免疫=風邪をひかない、食中毒にならない、といった具体的な効果を暗に示していることになります。
ちなみに花粉症などのアレルギー疾患は、鼻に侵入してきた花粉を「巨大な異物」として認識し、極めて強力な攻撃によって花粉を排除する反応によって、自身の目鼻において炎症や痒みを招くとされています。
アレルギー疾患なども、免疫による過剰な働きが原因と言えます。
つまり「免疫」という言葉は、ざっくりと体調管理、免疫疾患、アレルギー疾患、感染症の治癒や予防、健康増進、体力向上、抵抗力といった、かなり広義な意味を含んでいます。
このように、「免疫」とはかなり複雑な作用機序をもち、様々な意味を含んでいるからこそ、エビデンスの充実や作用機序の明確な解明が求められてきたのです。
今回、機能性表示食品として、いくつかの食品に関する届け出が受理されたことは、これらの課題を説明できるだけでの材料が十分に揃ったことを意味するわけです。
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鶏肉・豚肉・牛肉やお魚・貝類など
健康食品・サプリメントや加工食品に配合可能な
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2021-01
今、巷で賑わっている某企業の企画
こんにちは。
KT-11研究員です。
さて、2020年は新型コロナウイルスによる感染症で、様々な企業活動が制約されてきました。
そんな中、各企業において斬新なプロモーションや企画が登場しています。
最近、興味深くチェックしている企業があります。
それは、サプリメントや化粧品のメーカーであるファンケル社。
そこまでやりますチャンネルと称して、ファンケルの研究者や営業マンが斬新な企画に挑戦するというもの。
そのなかでも、自社サプリメントの利き当て企画は面白いです。
「利きサプリ」をやってみた!#5 〜ファンケル社員は自社のサプリメントを目隠しした状態で当てられるのか?〜 | FANCL そこまでやりますチャンネル - そこチャン
この企画って、意外と面白いなあと感じます。
なぜなら、自分たちの製品を客観的に評価しているように見えて、実はそうではなく、客観的な事実が逆にプロモーションの一環として宣伝ツールに利用しているためです。
例えば、DHAを配合したサプリメントは、本来魚油のような不快な生臭いにおいがつくものです。しかし、この動画の中での利きサプリメントでは、匂いが感じないといって非常に困惑する研究開発者の姿が映し出されているのです。
裏を返すと、開発者ですら不快なにおいが分からないほど、マスキング技術が優れていることをアピールしているのです。
当社の軟化剤や乳酸菌も、こんな企画を使うと面白いかもしれませんね。
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鶏肉・豚肉・牛肉やお魚・貝類など
健康食品・サプリメントや加工食品に配合可能な
06
2021-01
クリスパタス菌の花粉症緩和効果(日本語Ver.)
こんにちは。
KT-11研究員です。
社長のコメントでもありましたが、緊急事態宣言が今週末より発出される見通しとなり、弊社もテレワークとなります。
非常に残念な結果となりましたが、乗り越えなければならない実情です。
明けない夜はない。そう願うしかない。
さて、もう少しで今年もスギ花粉飛散の時期がやって参ります。
当然、花粉症に悩まれている方はつらい季節となります。
当社のクリスパタス菌は、摂取することで花粉症の症状を緩和することが臨床試験の結果によって明らかになっています。
それらの結果は、査読のある学術論文に掲載されているのですが、実は「英文」での記載。
以前から、日本語で解説されたものがないか、というお問い合わせが多々ありました。
そこで、今回は日本語、かつ図解で内容を分かりやすく解説したいと思います。
まずは、背景です。近年、花粉症患者が増加していることは周知の事実です。全国民の1/4が罹患しているともいわれています。
また、当社が発見したクリスパタス菌(KT-11株)は、動物実験などで花粉症の原因であるTh1/Th2バランスの破綻を正常に戻すことが分かっています。
今回の研究では、市販クリスパタス菌(加熱処理)の花粉症緩和効果を確認することが目的です。
ところで、今回の臨床試験を実施した場所は東京都内です。1月下旬から、12週間にわたってクリスパタス菌を摂取してもらいました。
なお、花粉は2月上旬から飛散し始めて、3月9日が最も多かったことが以下のスライドで分かります。
それでは、試験方法の説明です。
今回の臨床試験では、毎年花粉症を発症しているボランティアを3群に分けました。
各群を、プラセボ錠剤(クリスパタス菌を含まない錠剤)、200億個を含む錠剤、1000億個を含む錠剤をそれぞれ12週間にわたって食べてもらい、症状を比較しました。
症状は、鼻アレルギーガイドラインに従って、ボランティア自身に毎日症状のスコアを記録してもらいました。
なお、試験はダブルブラインド試験(ボランティアと試験実施者にはどの錠剤を食べているのかわからない状態)で行いました。
今回、試験に参加してもらったボランティアの年齢と性別をまとめました。
平均年齢に有意な差はありませんでした。
さらに、医師の所見では試験を通じてクリスパタス菌の摂取による有害事象は見当たりませんでした。
したがって、クリスパタス菌の継続摂取による毒性はないことが分かります。
症状に及ぼす影響をまとめたスライドです。
摂取開始から10週目~12週目の花粉症の症状スコアについて、プラセボ錠摂取グループを100とした場合の相対値を示したものです。クリスパタス菌の摂取によって、花粉症の症状は緩和され、特に鼻閉(鼻づまり)が改善されることが分かります。
一方、そのメカニズムについてですが、好酸球数がクリスパタス菌を摂取していないと急激に増加することが分かりました。
好酸球は、鼻閉などの原因となることが分かっているため、クリスパタス菌の摂取によって好酸球の増加を抑えて、鼻閉症状を緩和したことが考えられます。
最後に、今回の試験ではボランティアには花粉症薬や目薬・点鼻薬の使用を許可しています。
その内服日数と使用日数を集計したところ、各群間には有意な差がありませんでした。
したがって、今回の研究結果は、医薬品などの影響によるものではないことが分かります。
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鶏肉・豚肉・牛肉やお魚・貝類など
健康食品・サプリメントや加工食品に配合可能な