03
2020-07
自然免疫と植物
こんにちは。
KT-11研究員です。
さて、今回は植物の免疫に関する話題。
「化学と生物」誌に「植物の自然免疫研究の最前線」という記事が掲載されていました。大変興味深く、読ませていただきました。
我々、動物の細胞には細菌やウイルスによる感染をいち早く感知するために、いくつかの受容体が存在しています。その代表が「トール様受容体ファミリー」。
トール様受容体は、十数種類存在しており、グラム陰性菌の細胞膜やウイルスに特徴的な核酸を認識します。
実は、クリスパタス菌を食べると免疫力が高まったり、アレルギーを改善する働きは、このトール様受容体が重要な役割を果たしています。クリスパタス菌が、トール様受容体2に認識されることで、体内のマクロファージ(免疫を司る細胞)の機能を高めたりして、体に良い効果を引き出すことが分かっています。
動物細胞ではこのような受容体の存在が数多く報告されていますが、植物にも同じような受容体が存在しているのです。
「化学と生物」に掲載された近畿大学の吉久らの報告をまとめます。
植物において体を守るために病原細菌やウイルスを認識する受容体はパターン認識受容体と呼ばれています。
2000年以降,植物では細菌のべん毛タンパク質に由来するペプチド(flg22),翻訳伸長因子に由来するペプチド(elf18),細胞壁成分であるペプチドグリカン,そして,真菌のもつキチンを検出するパターン認識受容体が明らかになりつつあります。
この20年あまりで、植物の免疫に関する知見は飛躍的に広がったといっても過言ではありません。
一方で、植物に感染する細菌などはエフェクターと呼ばれる物質を産生し、植物の免疫力を下げることで、感染を容易にすることを戦略的に行っていることも分かっています。
つまり、感染されまいと抵抗する植物と、感染しようとする病原菌との間には日夜攻防が繰り広げられているのです。
将来、クリスパタス菌KT-11が植物の免疫力を高めることで感染症を予防するなんて日が来るかもしれませんね。
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鶏肉・豚肉・牛肉やお魚・貝類など
健康食品・サプリメントや加工食品に配合可能な
30
2020-06
ハイボールにも乳酸菌!?
こんにちは。
KT-11研究員です。
6月も終わりですね。地味に、2020年も半分を折り返しました。
ぴえん 通りすぎてパオーン
東京都内では、連日のように新規コロナウイルス感染者数の増加について報道がなされています。
まだまだ、予断を許さない状況が続きますが、経済活動の継続と感染症対策のバランスの大事さを痛感するこの頃です。
さて、感染症対策といえば「乳酸菌」!
新しい乳酸菌の商品が発売されるニュースです。
ガラナ飲料で知られる清涼飲料製造の小原(北海道)は、乳酸菌を配合した無糖の炭酸水を開発しました。7月上旬から順次、北海道内のドラッグストアやスーパーマーケットなどで販売が始まるとのことです。
商品名は「乳酸菌入り強炭酸水」(500ミリリットル)。乳酸菌には腸の免疫細胞に働きかけて免疫力を高める効果が認められており、同商品にはヒト由来の乳酸菌が100億個配合されています。
ウイスキーを炭酸水で割るハイボールの人気や健康志向の高まりを受け、無糖炭酸水の市場が年々伸びており、同社はさらに「健康」の付加価値を加えた商品の開発を進めてきたようです。
最近の乳酸菌による様々なアプリケーション展開は目を見張るものがあります。
乳酸菌KT-11も、サプリメントやお菓子にも配合されています。もちろん、ドリンクにも配合可能な素材です。
ハイボールにKT-11が配合される日も近いかもしれませんね!
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25
2020-06
寄生虫は糖尿病を改善する??
こんにちは。
KT-11研究員です。
最近は、蒸し暑い日が続く中で、夜中は意外と涼しい・・
窓を開けっぱなしで寝ると、朝方寒くて起きてしまいます。
さて、今回は寄生虫がI型糖尿病の発症を抑制するという報告について。
理化学研究所生命医科学研究センター粘膜システム研究チームの下川周子客員研究員と大野博司チームリーダー、国立感染症研究所寄生動物部の久枝一部長らは、自己免疫疾患の1型糖尿病(Type 1 diabetes;T1D)発症の抑制に関わるCD8陽性制御性T細胞(CD8Treg)の誘導メカニズムを発見しました。
本研究成果は、現代病(花粉症や自己免疫疾患)が増加したのは感染症が減少したからだとする「衛生仮説」を科学的に証明するとともに、T1Dの新たな予防・治療法の開発につながると期待できます。T1Dは、インスリンを分泌する膵臓の細胞が自分の免疫細胞によって破壊され、高血糖が引き起こされる自己免疫疾患で、近年患者が増加しています。
今回、共同研究グループはマウスを用いて、腸管寄生線虫のHeligmosomoides polygyrus[が感染すると、T1Dの発症が抑制されることを見いだしました。そしてそのメカニズムとして、寄生虫がトレハロースという糖を分泌することでRuminococcus属の腸内細菌が増殖し、この菌によってCD8Tregが誘導されることにより、膵臓の細胞の破壊が食い止められ、T1Dの発症が抑えられることを明らかにしました。さらに、T1Dの患者では血液中のCD8Tregが減少しており、Ruminococcus属の腸内細菌が少ないことも明らかにしました。
以上、引用終わり
この報告は、「衛生仮説」を裏付けているのではないでしょうか。つまり、我々の生活環境が衛生的になりすぎてしまった結果、寄生虫が淘汰されてしまい、その結果 アレルギーや糖尿病が増加したことを裏付けています。
それよりも、個人的には寄生虫によって産生されるトレハロースの万能性に驚きます。トレハローズは、林原という企業によって実用化され、今では多くの食品に配合されるようになっています。トレハロースを含む食品を摂取することで、I型糖尿病の発症を抑制できるのかもしれませんね
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鶏肉・豚肉・牛肉やお魚・貝類など
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