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2020-07
自然免疫と植物
こんにちは。
KT-11研究員です。
さて、今回は植物の免疫に関する話題。
「化学と生物」誌に「植物の自然免疫研究の最前線」という記事が掲載されていました。大変興味深く、読ませていただきました。
我々、動物の細胞には細菌やウイルスによる感染をいち早く感知するために、いくつかの受容体が存在しています。その代表が「トール様受容体ファミリー」。
トール様受容体は、十数種類存在しており、グラム陰性菌の細胞膜やウイルスに特徴的な核酸を認識します。
実は、クリスパタス菌を食べると免疫力が高まったり、アレルギーを改善する働きは、このトール様受容体が重要な役割を果たしています。クリスパタス菌が、トール様受容体2に認識されることで、体内のマクロファージ(免疫を司る細胞)の機能を高めたりして、体に良い効果を引き出すことが分かっています。
動物細胞ではこのような受容体の存在が数多く報告されていますが、植物にも同じような受容体が存在しているのです。
「化学と生物」に掲載された近畿大学の吉久らの報告をまとめます。
植物において体を守るために病原細菌やウイルスを認識する受容体はパターン認識受容体と呼ばれています。
2000年以降,植物では細菌のべん毛タンパク質に由来するペプチド(flg22),翻訳伸長因子に由来するペプチド(elf18),細胞壁成分であるペプチドグリカン,そして,真菌のもつキチンを検出するパターン認識受容体が明らかになりつつあります。
この20年あまりで、植物の免疫に関する知見は飛躍的に広がったといっても過言ではありません。
一方で、植物に感染する細菌などはエフェクターと呼ばれる物質を産生し、植物の免疫力を下げることで、感染を容易にすることを戦略的に行っていることも分かっています。
つまり、感染されまいと抵抗する植物と、感染しようとする病原菌との間には日夜攻防が繰り広げられているのです。
将来、クリスパタス菌KT-11が植物の免疫力を高めることで感染症を予防するなんて日が来るかもしれませんね。
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