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2020-06
寄生虫は糖尿病を改善する??
こんにちは。
KT-11研究員です。
最近は、蒸し暑い日が続く中で、夜中は意外と涼しい・・
窓を開けっぱなしで寝ると、朝方寒くて起きてしまいます。
さて、今回は寄生虫がI型糖尿病の発症を抑制するという報告について。
理化学研究所生命医科学研究センター粘膜システム研究チームの下川周子客員研究員と大野博司チームリーダー、国立感染症研究所寄生動物部の久枝一部長らは、自己免疫疾患の1型糖尿病(Type 1 diabetes;T1D)発症の抑制に関わるCD8陽性制御性T細胞(CD8Treg)の誘導メカニズムを発見しました。
本研究成果は、現代病(花粉症や自己免疫疾患)が増加したのは感染症が減少したからだとする「衛生仮説」を科学的に証明するとともに、T1Dの新たな予防・治療法の開発につながると期待できます。T1Dは、インスリンを分泌する膵臓の細胞が自分の免疫細胞によって破壊され、高血糖が引き起こされる自己免疫疾患で、近年患者が増加しています。
今回、共同研究グループはマウスを用いて、腸管寄生線虫のHeligmosomoides polygyrus[が感染すると、T1Dの発症が抑制されることを見いだしました。そしてそのメカニズムとして、寄生虫がトレハロースという糖を分泌することでRuminococcus属の腸内細菌が増殖し、この菌によってCD8Tregが誘導されることにより、膵臓の細胞の破壊が食い止められ、T1Dの発症が抑えられることを明らかにしました。さらに、T1Dの患者では血液中のCD8Tregが減少しており、Ruminococcus属の腸内細菌が少ないことも明らかにしました。
以上、引用終わり
この報告は、「衛生仮説」を裏付けているのではないでしょうか。つまり、我々の生活環境が衛生的になりすぎてしまった結果、寄生虫が淘汰されてしまい、その結果 アレルギーや糖尿病が増加したことを裏付けています。
それよりも、個人的には寄生虫によって産生されるトレハロースの万能性に驚きます。トレハローズは、林原という企業によって実用化され、今では多くの食品に配合されるようになっています。トレハロースを含む食品を摂取することで、I型糖尿病の発症を抑制できるのかもしれませんね
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鶏肉・豚肉・牛肉やお魚・貝類など
健康食品・サプリメントや加工食品に配合可能な