BLOG

株式会社キティー・ブログ

キティー社員が更新するブログです。おいしいものや乳酸菌の情報を発信していきます!

16

2022-08

クリスパタス菌KT-11の活性成分のひとつ「SLP」のこぼれ話~その1~

乳酸菌KT-11の効果

こんにちは。KT-11研究員です。

7月に乳酸菌学会がオンラインで開催されました。

この乳酸菌学会はその名のとおり、乳酸菌を専門とする研究者が集う学会です。

国内の乳酸菌研究のトレンドをはかるための重要な学会と思っています。

驚いたのが、乳酸菌が持つ表層タンパク質の免疫機能に関する研究発表が複数題あったこと。乳酸菌が持つ表層タンパク質(SLP)の免疫機能に関する研究は、クリスパタス菌KT-11が国内では一番乗りと自負しているので(笑)、このような研究のブームになりつつあることに驚きを隠せません。

SLPに関する国際研究の動向は2020年12月のブログでも紹介しています。

クリスパタス菌の持つタンパク質のひ・み・つ - バイオ事業部 - BLOG - KITII|株式会社キティー

現在は、クリスパタス菌KT-11も持つSLPが、免疫細胞によるIL-12の生産を高めることで免疫力を高めたり、ウイルスによる細胞への感染を抑制することが分かってきました。

振り返ってみると、クリスパタス菌のもつSLPの免疫活性に関する研究に着手したのが、KT-11が発見されて間もない約13年前でした。当時、SLPはプロバイオティクスが腸管定着のために糖鎖に接着するための成分として認識されており、SLP自体が何らかの免疫活性を持つという話には懐疑的に思われていました。

数多とある乳酸菌ですが、その免疫活性成分も多様です。近年では乳酸菌がもつDNAやRNAなどの核酸成分、細胞壁成分の一つであるペプチドグリカンなどが活性成分であると報告がされています。

一方で、クリスパタス菌KT-11の活性成分を探していると、あることに気づいたのです。それは、培養することで菌体同士が凝集すること。これは、ほかの乳酸菌にはあまりない現象でした。

IPROS12411342628237712372.pngのサムネイル画像

この凝集性に関与する成分こそがSLPなのです。SLPは多くの乳酸菌の表面を覆うように存在します。クリスパタス菌KT-11のSLPは、ほかの乳酸菌と比べてSLPの量が多い、もしくは特徴が異なるのでは、と考えたのです。

visual_representation-of-glycoproteins.jpg

つづく