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2020-10
ほんとうに殺菌乳酸菌は整腸効果があるのか
こんにちは。
KT-11研究員です。
さて、農芸化学会が発刊する「化学と生物」に興味深い解説が掲載されましたね。
https://katosei.jsbba.or.jp/index.php?aid=1359
亀田製菓が開発した玄米由来乳酸菌加熱殺菌体の健康機能として、整腸効果と肌の保湿効果に関する内容の解説。
亀田製菓は、自社で開発した殺菌体乳酸菌について、殺菌体なのになぜ整腸効果が期待できるのか、という疑問に対して科学的にアプローチして、その研究成果をしっかりと論文で発表しています。
S博士、頑張っていますね!
業界的には、この玄米由来乳酸菌とはK-1という名称で知られている乳酸菌です。
よく、KT-11と名称が似ているので間違えられたりしますが、別ものです!
商品に配合される乳酸菌は多く分けて「生きた乳酸菌」と「死んだ乳酸菌」の2つにわけられています。
前者は生きた状態で腸内に届き、短鎖脂肪酸などを産生することで腸管を刺激して整腸効果を導くことが知られています。しかし、後者の整腸効果についてメカニズムは不明でした。
亀田製菓は、腸の蠕動運動を司るセロトニンという物質に着目しています。
K-1乳酸菌は、腸内の一部の細胞を刺激することで、セロトニン分泌を促進し、腸の蠕動運動を促進するというもの。
セロトニンは、抗うつ作用などの薬理効果も期待できることから、K-1の将来性は計り知れないのかもしれません。
乳酸菌殺菌体によるセロトニン分泌促進は、過去にサッポロ社によっても報告されていたので、彼らの報告を支持するものかと思われます。
さらに、最近では、亀田製菓はK-1乳酸菌を配合した商品について、機能性表示食品に向けた技術開発も進めているようです。すでに、3商品が機能性表示食品として消費者庁に届けられているとのこと。
是非、K-1乳酸菌配合のハッピーターンを開発してほしい今日この頃です。