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2022-08
8月18日(木):雨 @東京
雨の影響で猛暑もそろそろ終焉に近づいている模様・・・ただ、まだ暑い
コロナ禍でTake Out市場が拡大して、飲食店もお弁当、惣菜を持ち帰りにするお店が増えました。
そんな中で急拡大した市場が唐揚げ専門店。
いくつもの唐揚げ専門店が駅前を中心に出店し、私の家の近所にも唐揚げの天才などここ1~2年で急激に増えました。
この市場が増えた要因としては、小さなスペースでの出店が可能な点やオペレーションが簡単、鶏肉自体が安いなどが挙げられています。
ただ、この市場最近いきなり急降下している感じを受けます。
と言うのも、今年に入り近所のから揚げ専門店の閉店ラッシュ、唐揚げの天才も2店舗同時に閉店となってしまいました。
単品商売ゆえに鶏の価格上昇や人件費の高騰など急激な経済環境の変化に対応できなかったのかも知れません。
また、スーパーや持ち帰り弁当など競合するお店も多く、各社品位も上がっており、わざわざ唐揚げだけを専門店で購入する付加価値もなくなってしまったのかも。。
唐揚げに付加価値をつけるのは、シンプルな商品だけに差別化するのがとても難しい。
結局、価格競争となって淘汰されてしまい、強いお店だけが生き残るサバイバル状態になっています。
唐揚げは国民食でブームはあるものの、急激になくなるものではないので、飽きずに食べられる味付けでやわらかくジューシーな食感、そんな王道な唐揚げが長く続くのかも知れません。
会社のキッチンで梅ソフトを使って唐揚げの試作をして、いろいろと食べ比べをしていますが、やっぱり自分で作る唐揚げが一番おいしいと思います。
そんな唐揚げ・・・・会社近所の『なか卯』で販売している唐揚げ丼を頂きました。
大ぶりのから揚げが3個、醤油ベースに生姜とニンニクがしっかりと染み込んだ味付け。
甘めの醤油ダレがかかったどんぶりです。
唐揚げ一つが40gぐらい?の大きさで食べ応えあります。しかもやわらかい・・・。
ただ、大きいのがすべて良いという訳でなく、個人的には少し小さ目で4個ぐらいが食べやすくうれしい。
あとは、ニンニク生姜が強すぎるので、食べている途中でちょっと飽きてしまい、食べ終わった後のマスク越しの息が気になります。
とはいえ、この暑さにスタミナをつけるには良い一品。
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2022-08
クリスパタス菌KT-11の活性成分のひとつ「SLP」のこぼれ話~その3~
こんにちは、KT-11研究員です。
これまでクリスパタス菌KT-11の免疫活性成分について、これまでの研究の取組みを回想してきました。
クリスパタス菌KT-11の活性成分のひとつ「SLP」のこぼれ話~その2~ - 新ブログ - BLOG - KITII|株式会社キティー
今回3回目が最後となります。
前回ではクリスパタス菌KT-11の持つSLPという成分が、免疫活性成分の1つだったことを説明しました。一般的に、乳酸菌の免疫活性成分が特定の配列を有するDNAやRNA断片であることが多い中で、クリスパタス菌KT-11が持つSLPが免疫活性成分とした我々の報告は異質だったかもしれません。
ところで、このクリスパタス菌KT-11のSLPは免疫活性成分として働く以外に、ロタウイルスによる感染防御機能を有することをご存じでしょうか。
この知見は、信州大学農学部の河原岳志准教授との共同研究で得られた成果の一つで、Frontiers in Microbiology誌に掲載されています。
Lactobacillus crispatus Strain KT-11 S-Layer Protein Inhibits Rotavirus Infection (nih.gov)
この研究は、クリスパタス菌KT-11由来のSLPをヒト結腸癌由来細胞に振りかけておくと、ロタウイルスによる感染を防ぐというものです。
さらに、クリスパタス菌KT-11由来のSLPを人工的に調製した胃液で暴露すると、その作用は消失するという特徴も見出しました。
出典:Lactobacillus crispatus Strain KT-11 S-Layer Protein Inhibits Rotavirus Infection - PubMed (nih.gov)
つまり、クリスパタス菌KT-11を経口的に摂取すると、胃液に含まれる消化酵素の暴露によって抗ロタウイルス作用が消失してしまう可能性が高いことが分かったわけです。
それでは、なぜクリスパタス菌KT-11は、このような意味のない抗ロタウイルス作用を持っていたのか、大変興味が惹かれるところです。
ロタウイルス感染症のほとんどは赤ちゃんにだけみられ、成人になるとほとんど感染しないことが分かっています。さらに、赤ちゃんの胃液の消化酵素は、成人と比較しても非常に少ないことが報告されています。
クリスパタス菌KT-11は、出産の過程で母親の産道から、母子間伝播によって赤ちゃんに受け継がれると考えられてきました。この時、大人であれば容易に胃液で分解されてしまうであろうSLPも、胃液の分泌が未熟である赤ちゃんであれば容易に胃を通過できることが分かったのです。
つまり、赤ちゃんだけに感染するウイルスに対して、クリスパタス菌KT-11はピンポイントで感染を抑制すると考えられるのです。
クリスパタス菌KT-11がなぜ、母親から子へと受け継がれるのか、その理由を紐解く上でも大変興味深い知見になりました。
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2022-08
クリスパタス菌KT-11の活性成分のひとつ「SLP」のこぼれ話~その2~
こんにちは、KT-11研究員です。
前回のブログでは、クリスパタス菌KT-11の活性成分について書きました。
クリスパタス菌KT-11の活性成分のひとつ「SLP」のこぼれ話~その1~ - 新ブログ - BLOG - KITII|株式会社キティー
今回もその続きを書きます。
★前回のポイント★
①クリスパタス菌KT-11は培養することで菌体同士が凝集すること。
②クリスパタス菌KT-11の凝集性はSLPによるもので、ほかの乳酸菌と比べてSLPの量が多い、もしくは特徴が異なるのでは、と推察。
この段階では、クリスパタス菌KT-11の免疫活性がSLPに起因するという確証はありませんでした。事実としては、ほかの乳酸菌よりも免疫活性が強いということのみ。。
そのような中で、2008年にイタリアの研究グループが発表した、乳酸菌の持つSLPがT細胞と樹状細胞の免疫系を調節するという論文を見つけました。
もともとLactobacillus acidophillusとクリスパタス菌(Lactobacillus crispatus)は近縁種の乳酸菌だったため、この論文がクリスパタス菌KT-11の免疫活性成分はSLPではないかと考え始めたきっかけとなりました。
一方、2000~2010年代の国内の学会では、乳酸菌のプロバイオティクスに関する研究が活発に行われていました。とりわけ、乳酸菌の腸管定着性については、乳酸菌のもつSLPが腸管ムチンの糖鎖を認識して結合することが重要であることが分かっていました。
ところが、ある研究者が乳酸菌をリン酸緩衝液でリンスすると、その結合性が低下することを話していました。乳酸菌が持つはSLPは、塩やキレート剤で容易に菌体から剥がれ落ちることも経験的に知られていましたので、クリスパタス菌KT-11の免疫活性成分がSLPであるならば、塩で洗うと活性は消失するのでは?と考えたわけです。
実際にその実験が以下のデータです。
出典:一部改変
尿素やグアニジン塩酸塩で洗浄したクリスパタス菌KT-11は、無処理のクリスパタス菌KT-11と比較して、マクロファージによるIL-12産生を低下させることが分かったのです。
すなわち、クリスパタス菌KT-11のSLPが、その免疫活性に大きく影響していることを示唆するものとなったわけです。
その後、クリスパタス菌KT-11のSLPが、マクロファージに発現するトール様受容体に結合することを突き止め、アメリカの学術誌「Journal of Food Biochemistory誌」に論文が掲載されたことは記憶に新しいところです。
つづく