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株式会社キティー・ブログ

食品事業部の営業担当者、バイオ事業部の研究員が更新するブログです。
おいしいものや、乳酸菌の情報を発信していきます!

28

2020-09

母親の腸内細菌層と胎児の脳発達

出来事

こんにちは。

KT-11研究員です。

さて、国際的著名な学会誌Natureに興味深い論文が掲載されました。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究グループによるもので、論文のタイトルは

「The maternal microbiome modulates fetal neurodevelopment in mice」

https://www.nature.com/articles/s41586-020-2745-3

これまでに、母親の腸内細菌叢が胎児の発達、特に脳発達に関わるという可能性はこれまで何度も指摘されてきたが、ほとんどが神経機能や行動レベルの解析を用いた研究で、胎児発達期の影響か、生後の脳発達過程への影響かについては明確ではありませんでした。

今回の論文では、マウスを用いてその謎を紐解くことをしています。

まず、無菌マウスや抗生物質で腸内細菌層を除去したマウスを妊娠させ、14.5日目の胎児脳の遺伝子発現を正常胎児と比べています。

この結果、333遺伝子の発現変化が観察され、とりわけ神経の伸長や反発に関わることが明確なNetrinと呼ばれる物質に着目しました。

こうして見つけた指標を、無菌だったマウスに細菌を母親に移植することで正常化できることを確認した上で、正常化能力のある細菌の特定を試みた結果、Clostridiaが最も有効な細菌種として特定しています。

そして、この細菌種を導入した母体の血液や、胎児脳の代謝物を比較し、Clostridiaを移植したときに血中で上昇が見られる細菌由来の代謝物、Imidazole propionateとtrimethylamine N-oxideなどを含むカクテルを加えることで、解剖学的異常、軸索伸長異常、さらには感覚神経異常をすべて正常化できることを示しています。

やはり、妊娠期間における母親の腸内細菌叢というものは、胎児の発育に極めて重要な影響を及ぼすことが証明されたわけです。

ところで、腸内細菌叢のClostridiaといえば、我々が数年前にムズムズ足の改善に重要な腸内細菌であることを証明したばかりです。

https://www.kitii.co.jp/info/assets/entry/5a1549dc38941c820f17f7a15849ce6a5ed244c4.pdf

我々の健康機能と腸内細菌叢とのかかわりの中で、Clostridiaは重要な役割を果たしていることは間違いないようですね

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26

2020-09

ノーベル賞2020の行方

出来事

こんにちは。

KT-11研究員です。

さて、毎年この時期になるとノーベル賞の受賞者が決まります。

今年は誰が受賞するか、日本人は受賞できるのか、など予想だけで盛り上がります。

各ノーベル賞の発表日程は以下の通り。


10月5日 ノーベル医学生理学賞
10月6日 ノーベル物理学賞
10月7日 ノーベル化学賞
10月8日 ノーベル文学賞
10月9日 ノーベル平和賞
10月12日 ノーベル経済学賞

そんななか、米クラリベイト・アナリティクス社が、2020年ノーベル賞候補24人を発表しました。

同社は、トムソンロイターという企業名から変更した会社です。

日本人は、ノーベル医学・生理学賞で中村祐輔東京大学名誉教授と藤田誠東京大学大学院工学系研究科卓越教授の2人が候補に選ばれたようです。

ついでに、

ノーベル賞の発表にあたっては、関連する株価が急上昇することがあります。

例えば、中村祐輔教授は、がん治療ワクチン創薬ベンチャーのオンコセラピー・サイエンスの筆頭株主です。

また、毎年文学賞候補に挙がる村上春樹氏の関連では、書籍販売の文教堂グループ HDなどがあげられます。


藤田誠卓越教授の研究テーマである「自然界に学ぶ自己組織化物質創成と超分子化学への貢献に対して」については、自己組織化ペプチド技術を活用した医療材料を開発しているスリー・ディー・マトリックス社も上昇するかもしれません。

ノーベル賞と合わせて株価の変動にも注目です!

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23

2020-09

下着か皮膚か

出来事

こんにちは。

KT-11研究員です。

前回のブログがバグってうまく表示されてない・・・

なぜでしょうか・・。

さて、本日は日刊工業新聞に掲載されていた興味深い記事の紹介。

パンツといえばグンゼ、グンゼといえばパンツ。個人的には、そんな印象をもつグンゼ株式会社ですが、連結での売り上げは1400憶円もある大企業です。

そんなグンゼ社が、人工皮膚で米国の現地法人と独占契約を締結し、米国への本格参入を始めたとのことです。

人工皮膚 創傷被覆材であるペルナックは、豚由来コラーゲンスポンジとシリコーンフィルムの2重構造であり、皮膚欠損部分に貼るとスポンジ内に患者自身の線維芽細胞と毛細血管が入り込んで新たな真皮層を形成するというもの。

この人工皮膚ペルナックをもってアメリカ市場に参入するらしい。

グンゼ社によると人工皮膚の市場規模は日本の10倍にあたる100憶円程度を見込んでいるとのこと。

実は、国内の6割以上の大学病院では採用されている商品のようです。

グンゼ社は、人々のQOL向上に貢献できるビジネスへの注力を掲げており、メイン領域を医療・健康分野と見定めて、機能ソリューション事業で成長拡大してきたメディカル材料分野とライフクリエイト事業のスポーツクラブ分野の成長拡大を目指しています。

下着・アパレルの企業という認識でしたが、この数十年で着実に成長しており、非常に興味深い領域で事業を行っている企業であることに気づきました。

皮膚科学でいうと、当社の開発した化粧品素材「KT-11 HKN」は、皮膚に塗布すると細胞の増殖を促し、再生を高めます。

現在、歯磨き粉に配合されるなど様々な用途に使用されています。

ちなみに、HKN=肌(H)がき(K)れいにな(N)る

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