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株式会社キティー・ブログ

食品事業部の営業担当者、バイオ事業部の研究員が更新するブログです。
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2020-09

母親の腸内細菌層と胎児の脳発達

出来事

こんにちは。

KT-11研究員です。

さて、国際的著名な学会誌Natureに興味深い論文が掲載されました。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究グループによるもので、論文のタイトルは

「The maternal microbiome modulates fetal neurodevelopment in mice」

https://www.nature.com/articles/s41586-020-2745-3

これまでに、母親の腸内細菌叢が胎児の発達、特に脳発達に関わるという可能性はこれまで何度も指摘されてきたが、ほとんどが神経機能や行動レベルの解析を用いた研究で、胎児発達期の影響か、生後の脳発達過程への影響かについては明確ではありませんでした。

今回の論文では、マウスを用いてその謎を紐解くことをしています。

まず、無菌マウスや抗生物質で腸内細菌層を除去したマウスを妊娠させ、14.5日目の胎児脳の遺伝子発現を正常胎児と比べています。

この結果、333遺伝子の発現変化が観察され、とりわけ神経の伸長や反発に関わることが明確なNetrinと呼ばれる物質に着目しました。

こうして見つけた指標を、無菌だったマウスに細菌を母親に移植することで正常化できることを確認した上で、正常化能力のある細菌の特定を試みた結果、Clostridiaが最も有効な細菌種として特定しています。

そして、この細菌種を導入した母体の血液や、胎児脳の代謝物を比較し、Clostridiaを移植したときに血中で上昇が見られる細菌由来の代謝物、Imidazole propionateとtrimethylamine N-oxideなどを含むカクテルを加えることで、解剖学的異常、軸索伸長異常、さらには感覚神経異常をすべて正常化できることを示しています。

やはり、妊娠期間における母親の腸内細菌叢というものは、胎児の発育に極めて重要な影響を及ぼすことが証明されたわけです。

ところで、腸内細菌叢のClostridiaといえば、我々が数年前にムズムズ足の改善に重要な腸内細菌であることを証明したばかりです。

https://www.kitii.co.jp/info/assets/entry/5a1549dc38941c820f17f7a15849ce6a5ed244c4.pdf

我々の健康機能と腸内細菌叢とのかかわりの中で、Clostridiaは重要な役割を果たしていることは間違いないようですね

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